40冊目
- 作者: 星新一
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/01/25
- メディア: 文庫
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本作は、作品が発表された時代よりの近(?)未来、電話が物語の中心に据えられた連作短編集。個々のギミックについては未来予想の的確さにうならされるところもありますが、小生としては、全体を俯瞰したとき、スキームの的確さがすばらしいと感じました。もちろん作者の考察と予測がすばらしいということもあるのでしょうが、世界の根幹のパラダイムシフトは起こっているように見えてそんなに起こっていないのではないか、起こっていると見せかけて実は何も変わっていないんじゃないかなんて思ったりもしました。原点回帰というのは、定期的に観察したところ前回と同じで、動いていないはずはないから戻っているように感じているだけで、実は全く動いていないなんてこともあるんじゃないかなんて考えてしまったけど、それが何の比喩なのかは、小生には全くわかりません。