77冊目
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/06/10
- メディア: 文庫
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なかなか読む機会がありませんでした。
ふらっと寄った図書館で借りれたので、軽い気持ちで
読み始めたのですが...。
以降、ネタバレです。
なんて辛い話なのでしょうか。
「1991年」「ユーゴスラビア」からやってきた少女という時点で、
小生たち読者はこのエンディングを想像せざるを得なかったわけです。
しかし、前半では、その少女マーヤとともに日常の謎を解いていく
という、米澤穂信にしては当然の展開ではあるのですが、なんとも
不思議な展開で話は進みます。
そして、マーヤの帰国後、最大の謎を解くわけですが、
ここから何とも辛い展開が待ち受けています。
米澤穂信の作品では、例えば犬はどこだ (創元推理文庫)やボトルネック、
インシテミルなど、
決してハッピーとはいえないエンディングが用意されてきましたが、
主人公たちの置かれた立場が一番絶望的なのが本作ではないかと思います。
ただ、ボトルネックと違い、多くの絶望とともに、
ほんの一握りの希望をももたらしてくれたのも、
本作ではないかと思いました。
確かにこの作品を読んだ後、相当の間へこんでいましたが、
こういう本を読まなきゃいけないとも思いました。
こういう本に出会うために小生は読み続けなくてはいけない、
といったらかっこつけすぎですか。
ま、ネタバレ内なので、読む人が少ない事を祈りますww