98冊目
- 作者: 三浦良,ぽぽるちゃ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2008/10/20
- メディア: 文庫
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小生、それほどライトノベルに精通しているわけではないですけど、
将棋をモチーフにしたライトノベルは今まであまり見たことがありません。
クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)で目隠し将棋がちょっと出てきたとか、
ガジェットとしては少し出てくることはありますけど。しかも
西尾維新の作品はライトノベルか問題もありますし。ま、それは
今回は関係ない話なので置いておきます。
で、本作はタイトルにもあるように、将棋バトル小説らしいので、
早速読んでみました。
本作については、「ライトノベルとして」「将棋として」の
両側面から見ていく必要があると思います。
まず、ライトノベルとして。
所謂主人公が巻き込まれる形で魔法を使うというのは常套手段として、
そこに本作特有の何かを加えたのが、父親の職業で自分でも指す「将棋」
ということで、ここは巧く処理されていると思います。
バトルに関しては、ちょっとわかり難い場面もありますが、
わりと丁寧に書かれてあるので読みやすくていいと思います。
最後の盛り上がりとかもっとあると小生的にはうれしいです。
ただ、こちらも続きもの前提なので、ちょっと萎える面もあります。
続いて、将棋として。
単なるガジェットとしてではなく、物語の根幹に関わってくるので、
キッチリ構築しないといけないのかなと思います。
とかいいつつ、本作のバトルは、相手は別のモノを持っているわけで、
例えば本作では将棋vsC++のバトルとなっているわけです。
いわば異種格闘技戦になるわけですね。
異種格闘技戦って、よっぽどの力の差がない限り、ルール依存に
なってしまうため、戦う前の想像が一番面白いんですよね。
小説の世界では、キャラを自由に動かせるにしろ、それが
かえって不自然な感じを醸し出したりしないかなと心配です。
あと、将棋vs将棋でしか味わえない感覚が全キャンセルしてしまうのは、
将棋が好きな小生としてはやっぱり物足りないものはあります。
とはいえ、将棋好き∧ラノベ好きなんてきっと数人しかいないので、
これはこれでいいのでしょう。ゴキゲン中飛車とかミレニアムとか
って単語を見れただけでもちょっと満足している小生がここにいます。