らかぁ4挺

4行日記

モンスター

※以下の文章は、フィクションかノンフィクションかわかりませんが、
 フィクションとして味わっていただければ幸いです。
※気が向いたら直すかもしれませんのであしからず。



妻が嫌いだ。


私は、ラジオが大好きで、Podcastも含めると週10時間以上は聞いていた。
できればそんな生活をずっと続けたかった。
しかし、結婚するにあたり、その生活を止めざるを得なかった。
だが、どうしても諦めきれなかった私は、妻に一つだけお願いをした。


「一番好きなラジオ番組『だけ』は聞かせてください」と。


それから数年が過ぎ、このお願いは、基本的に反故にされている。
妻は、自分のお願いや約束が守られないと、烈火のごとく怒り出す。
その怒りは様々だ。
直線的な怒りがあったかと思うと、冷静で皮肉たっぷりな怒りもある。
まさに怒りのショッピングモールだ。


妻は、
「家族が約束を守らない人だったから、約束は守ってほしいの」
などど嘯いた。
私の唯一の約束は、守る気配すらないのに。


初めは、番組の存在を忘れているのかと思っていた。
普段ラジオを聞かない人は、番組を認識しろと言ってもなかなかに難しいものだ。
しかし、番組の存在は妻も認識している。
番組が始まる直前になって、
「あ、あの番組もうすぐ始まるね」
などど言う。
でも、番組を聞くことはできない。
嫌がらせともいえる、どうでもいい予定を入れてくるのだ。
洗濯、食器洗い、犬の散歩。
何かにつけて理由をでっちあげ、やるしかなくなる。
そして、私は今週もその番組を聞くことができなくなるのだ。


「私とラジオどちらが大切なの?」
そんな常套句も何度聞いたかわからない。
もちろんラジオに決まってるのだが、当然そんなことは言えない。
だからと言って嘘をつくのもラジオに対して失礼だ。
黙っていると、すぐ「無視した」と言い出す始末。
本当にやってられない。


あー、本当に妻が嫌いだ。