らかぁ4挺

4行日記

42冊目

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

本屋大賞山本周五郎賞の2冠を達成した作品。
ま、伊坂幸太郎はどちらも常連だったので、
たまたまどちらも順当に決まった感は大きいですね。


天邪鬼な小生としては、もっともっと寝かせて、
文庫化直前くらいに読もうと思っていたのですが、
これ以上寝かせると、いろいろな所から情報が
リークしそうだったので、GWに読みました。


コレは本当に面白かった。伊坂幸太郎に関しては、
デビュー作「オーデュボンの祈り (新潮文庫)」を読んで、
とてつもない才能を感じて以来、「ラッシュライフ (新潮文庫)」「重力ピエロ (新潮文庫)
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」「チルドレン (講談社文庫)」「アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)」「砂漠」と
読んできました。そして、ずっと圧倒されっぱなしです。
そして、ついに本作を読むこととなりました。


以下、ネタバレではないですけど一応隠しておきます。
伊坂幸太郎作品では、仙台が舞台になることが多いですけど、
本作も、仙台出身の総理が地元の凱旋パレードで暗殺され、
その容疑が、主人公にかけられるという、まさにハリウッド
のような展開を見せます。
これまで、伊坂幸太郎の作品を読んできて、
「ベタなストーリー展開は避けているんじゃないか?」
と思っていました。
ですが、こんなベタなストーリーも、伊坂幸太郎にかかれば、
こんなに見事な作品になるのですね。
いたるところに伏線が隠されていますので、読み進めていくと
どんどんストーリーにのめりこんでいきますし、主人公と
その仲間が最後の最後に行ったアレについては、鳥肌モノです。


舞台が仙台という、地方の大都市というのも、何かのメタファー
なんじゃないかと思います。東京=中央ではなく、田舎でもない。
その中途半端といったら言葉が悪いですが、そんな感じを込めて
いるような気がします。ま、伊坂幸太郎東北大学出身で、
その頃慣れ親しんだ街を舞台にしているだけなのかもしれませんが。


本当に凄かった。エンタメなら今年一番かも。