らかぁ4挺

4行日記

48冊目

ハル、ハル、ハル

ハル、ハル、ハル

いきなりこの一文。

この物語はきみが読んできた全部の物語の続編だ。

古川日出男三島賞受賞作家であり*1直木賞候補*2にもなった作家です。そのことからわかるように、ジャンルに縛られない、むしろジャンルは越境するために存在していると思わせる活躍を見せてます。


本作では、表題の他、「スローモーション」「8ドッグズ」の3編の小説が収められています。

表題作は、非常に厳しい状況の主人公の話で、感情を揺り動かされました。本当に憎しみ、本当に悲んで、読後に色々考えさせられたりもしました。他に、これは最近の古川日出男の重要なテーマの一つだと小生は勝手に思っているのですが、「東京」をリアルに感じました。
他2編もよかったです。特に「スローモーション」に関しては個人的には一番好きでしたね。

*1:第19回 「LOVE」にて。

*2:第133回、「ベルカ、吠えないのか?」にて。